附属病院・感染免疫内科附属病院・感染免疫内科

輸入感染症

輸入感染症を診療される医療従事者の方へ

輸入感染症各論[ジカウイルス感染症]

流行地・歴史

ジカウイルス感染症は,今までアフリカ,南北アメリカ,アジア,太平洋地域で発生している.最初のアウトブレイクは2007年にミクロネシアから報告された.2013年に仏領ポリネシア,太平洋地域で流行が続いた.2015年にブラジルでの流行でギラン・バレー症候群や小頭症の関連が報告され注目されている.

感染経路

媒介蚊(主に Aedes aegypti)に刺され感染する.性感染,輸血・血液製剤による感染,臓器移植,母子感染も報告されている.

潜伏期間

3〜14日

症状・経過

大部分は無症状だが,一部で発熱,発疹,結膜炎,筋肉痛,関節痛,倦怠感,頭痛などが2〜7日間続く.

診断

病歴より疑われ,血液,尿,精液などよりウイルス遺伝子が検出されることで診断される.

予防法

有効なワクチンはない.流行地で蚊に刺されないよう体を覆う衣服,窓などの障壁,防虫剤,蚊帳,水たまりを作らないことが推奨される.性感染・母子感染予防のため,ジカウイルス感染者,あるいは流行からの帰国者とそのパートナーは危険性についての情報提供を受ける.避妊の必要性についてカウンセリングを受ける.

治療その他

有効な治療法はない.通常軽症で安静と水分補給,解熱剤で軽快する.

流行地域