附属病院・感染免疫内科附属病院・感染免疫内科

輸入感染症

熱帯・亜熱帯へ旅行される方へ

よくある質問

Q1.「………」に行きたいのですがマラリアの危険度はどのくらいですか?

マラリアの流行地域」をご覧下さい。しかしマラリア流行地域を旅行する場合でも旅のスタイルにより、罹患するかどうかのリスクは異なります。
たとえばエアコンの設備のあるホテルより、網戸のホテルの方がリスクは高くなります。
またキャンプ、野宿の場合はさらに危険が高まります。
国ごとの詳細な流行情報は、[ミュンヘン大学医学部熱帯医学研究所]を参考にされることをお勧めします。英語のサイトですが、国名をクリックしてあらわれるページで虫眼鏡の絵をクリックすると詳細な地図が現れます。

Q2.熱帯地方に旅行します。マラリアの予防薬を飲んだ方が良いですか?

(1) 滞在期間が2週間未満の場合

発熱してもすぐに受診できる信頼できる医療機関が近くにあれば蚊に刺されないように注意をし、マラリアに罹患したらすぐ医療機関を受診するという対策でも良いでしょう。
ただし、田舎での滞在、ジャングルでの冒険、秘境旅行などリスクの高い行動をする方は2週間以内の滞在でも予防内服をお勧めします。

(2) 滞在期間が2週間以上3ヶ月未満

予防内服をお勧めします。
特に、すぐに信頼できる医療機関を受診することのできない田舎に行かれるなら、予防内服、またはマラリアの自己治療が必要です。

(3) 滞在期間が3ヶ月以上

最初の3ヶ月は(2)と同様です。それ以後については現地の医師に相談するのが良いでしょう。外国人診療(マラリアに対して免疫をもっていない外国人を対象)に精通した医師にコンサルトするのが望ましいでしょう。

Q3.熱帯地方に旅行します。どんな予防注射を受けておけばよいですか?

おおまかには旅行地域により、予防接種のページのようなワクチン接種がお勧めです。
ただマラリアの予防薬と同様、旅行のスタイルによりリスクは異なりますので、一般的でない旅行をされたり、持病がある方は専門家に相談するのが無難でしょう。欧米では最近は旅行者はトラベルクリニックを受診し、旅行中の健康相談をしたり、ワクチン接種、マラリア予防薬処方を受けることが一般的となっております。

Q4.熱帯からの帰国後、発熱があります。どうしたらよいですか?

咳、くしゃみ、鼻水など明らかに風邪の症状がある場合は、マラリアなどの熱帯病の可能性は低いと思います。渡航歴を話した上で、近所の内科の先生にご相談下さい。
帰国後 (特に4週以内)に38℃以上の発熱があり、それ以外に特に症状がない場合は専門の医療機関を受診してください。

Q5.熱帯からの帰国後、下痢が続いています。どうしたらよいですか?

1日3〜4回程度の下痢で、発熱がなく、水分摂取が可能な場合は、水分補給に気をつけて経過観察でかまわないでしょう。
上述の症状よりひどい場合は、感染性腸炎の可能性がありますので医療機関の受診をお勧めします。また下痢が軽度でも1、2ヶ月以上も続く場合は寄生虫疾患の可能性もありますので専門の医療機関を受診しましょう。

Q6.渡航先で子犬に手をなめられたのですが、狂犬病のワクチンは必要ですか?

日本以外世界の至るところで狂犬病は発生しています。なめられたところに傷がなく、犬が見かけ上健康であればまず心配ないでしょう。手に傷があった場合や、犬がよだれを垂らしていたり、徘徊や攻撃的行動がみられるなど様子がおかしい場合は医師に相談し早期に狂犬病ワクチンを接種すべきです。
一度発症するとほぼ100%確実に死に至る疾患です。海外で動物に無防備に近寄ることは非常に危険です。また犬以外の、コヨーテ、オオカミ、ジャッカル、スカンク、マングース、マーモット、猫、猿、蝙蝠、牛、アライグマ、狐など多くの動物が危険です。

Q7.日本国内で、犬に噛まれました。狂犬病は大丈夫ですか?

日本では戦前に多少の流行がありましたが、1950年の狂犬病予防法の施行により、ヒト、イヌともに1957年以降、狂犬病の発生はありません。ただし、1970年にネパールに旅行した学生が、帰国後発病し死亡した例があります。
したがって、現時点では日本国内での動物咬傷は狂犬病の心配はないと考えられます。ただし、国外から狂犬病が持ちこまれる危険性は常にあります。念のためかまれた犬の狂犬病ワクチンの接種歴、健康状態を確認されると良いでしょう。

狂犬病の発生地域

狂犬病の流行地域

予防接種について

目的地、期間、行動様式などにより、必要なワクチンは異なります。以下の表を参考にしてください。

米国疾病予防センター(Centers of Disease Control and Prevention)が示している成人の場合の目的地別の推奨予防接種を一部修正したものです。

○は接種が推奨されるワクチンです。
△は場合によっては接種したほうが良いワクチンです。欄外の説明をお読みください。

西西
A型肝炎△1△2△3
○:推奨される
△1:衛生に問題のある地域に行くときに推奨される
△2:オーストラリア・ニュージーランド以外で推奨
△3:リスクは低いが長期滞在時に推奨される
B型肝炎
△:6ヶ月以上の長期滞在、医療関係者などの血液に触れる可能性のある場合、医療行為などを受ける可能性のある場合に推奨される
破傷風
△:5〜10年以内に接種を受けていない場合は追加接種が推奨される
狂犬病
△:野生動物と接触する可能性のある場合に推奨される
日本脳炎
△:4週間以上都市部以外で滞在したり、流行地を訪れる場合に推奨される
黄熱△1△1△1△2△3△3△3△3△3△1△3△3△1△3△3
○:推奨され、入国に際しワクチン接種の証明が必要である
△1:都市以外に滞在する予定のある場合推奨され、入国に際しワクチン接種の証明が必要になる場合がある
△2:入国に際しワクチン接種の証明は必要ではないが、アルゼンチンの田舎へ行く予定のある場合は推奨される
△3:感染する危険はないが、南アメリカ北部やサハラ以南のアフリカから入国する場合にはワクチン接種の証明が必要になる場合がある
ポリオ
△:必要に応じて不活化ワクチン追加投与が推奨される

その他

複数のワクチンを接種する場合には、生ワクチン接種後は4週間以上不活化ワクチンとトキソイド接種後は1週間以上空けて次のワクチンを接種するのが原則です。

また、何度も接種の必要があるワクチンもありますので、出来るだけ早い時期に計画を立て、接種を開始してください。

渡航までの時間がない場合、医師が必要と認めた場合に限り2種類以上の予防接種を同時に行うことができますので、医師と相談の上ワクチンのスケジュールを組んでください。